2021年 05月 08日
ヒアアフター ( Hereafter ) |
Amazon prime video で視聴。
2010年、アメリカ; 監督:クリント・イーストウッド; 主演:マット・デイモン;
死者がとりもつ生者の縁を描く。
サンフランシスコに住むジョージ(マット・デイモン)は、霊能者として活躍した時期もあったが、現在は工場に勤め、霊能力を封印しようとしている。パリ在住のジャーナリスト・マリー(セシル・ドゥ・フランス)は、取材先で臨死体験をしてから、死後の世界に興味が向いていた。ロンドンの少年マーカスは、死んだ双子の兄のことが忘れられない。この三人が巡り合うことになる。……
クリント・イーストウッド監督作品は、ウッディ・アレン監督作と同様安心株ですね。いつもの作風とは異なる印象がありますが、三様の人生が交差するまでが伏線がたくみに回収されていく小説を読んでいるような快感を伴って見られました。主人公ジョージはディケンズの愛読者という設定になっていますが、ちょっとディケンズの小説風でしょうか。
死後の世界があるのかないのか、そこには踏み込まず、しかしそういうものに引かれる、意識する、考える、それは人間誰にでもあっておかしくはないし、そこから現実を生きる力が出てくることもある。そんなかんじですかね。全体に絵がきれいで、とくにやっぱりフランスはこういう映画で見ると、色合いとかほんまきれいな所やなと思います。おしゃれよねえ。
現実離れしないように程よく仕上げてあるのがイーストウッドのうまさ、そして、丹波哲郎「大霊界」を通過した日本人からすると、そのへんがまだイーストウッドは娑婆っ気が残ってるな、になりますね。
by nesskoDiary
| 2021-05-08 00:41
| 映画
|
Comments(2)
弊記事へのコメント有難うございました。
僕は、キネマ旬報の批評家たちが余りにも、宗教的と言っても良いくらい評価するのに反発して、彼等に比べれば低く(多分アメリカの批評家と同じくらい)評価することになっていますが、この映画は僕よりも評価されなかったですね。昨年の「リチャード・ジュエル」もがっちり出来ていたのに、思ったほど票が伸びず、どうも彼らのセンスが解らない・・・(笑)。
この映画に関しては、僕は全体の構成から言うと、途中がいきなり焦点が合うようなところにやや強引さを感じたのですが、デタラメかと言うとそんなことはなく、振り返れば実際の人生にも、運命が導く、こういう出会いはあるだろうと思うんですよね。
>現実離れ
イーストウッドは、洒落ではないですが、地に足が着いていない作品はつくりませんね。この辺りのスタンスは実にしっかりしている。
尤も、若い時に作った西部劇「荒野のストレンジャー」は、主人公があるいは幽霊かもしれないという作品だったという記憶がありますが。
僕は、キネマ旬報の批評家たちが余りにも、宗教的と言っても良いくらい評価するのに反発して、彼等に比べれば低く(多分アメリカの批評家と同じくらい)評価することになっていますが、この映画は僕よりも評価されなかったですね。昨年の「リチャード・ジュエル」もがっちり出来ていたのに、思ったほど票が伸びず、どうも彼らのセンスが解らない・・・(笑)。
この映画に関しては、僕は全体の構成から言うと、途中がいきなり焦点が合うようなところにやや強引さを感じたのですが、デタラメかと言うとそんなことはなく、振り返れば実際の人生にも、運命が導く、こういう出会いはあるだろうと思うんですよね。
>現実離れ
イーストウッドは、洒落ではないですが、地に足が着いていない作品はつくりませんね。この辺りのスタンスは実にしっかりしている。
尤も、若い時に作った西部劇「荒野のストレンジャー」は、主人公があるいは幽霊かもしれないという作品だったという記憶がありますが。
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Commented
by
nesskoDiary at 2021-05-09 10:16
> オカピーさん
コメント、ありがとうございます。
イーストウッド監督の幅の広さを感じさせる作品だったです。
ただ、いつもの映画とはだいぶ趣が異なるので、熱心なイーストウッドファンは「え?」になったのかもしれないですね。
>「リチャード・ジュエル」
まだ観てないのですが、楽しみにしているんですよ。
この事件をよく覚えているんです、日本でも放送されたCNNのニュースで見ていて、はじめは英雄扱いされて「あたりまえのことをしただけですよ」と答えていたジュエルが、FBIに疑われて自宅を強制捜査されて、うなだれて「こんなことをするなんて」と言っていたのを鮮明に覚えています。
コメント、ありがとうございます。
イーストウッド監督の幅の広さを感じさせる作品だったです。
ただ、いつもの映画とはだいぶ趣が異なるので、熱心なイーストウッドファンは「え?」になったのかもしれないですね。
>「リチャード・ジュエル」
まだ観てないのですが、楽しみにしているんですよ。
この事件をよく覚えているんです、日本でも放送されたCNNのニュースで見ていて、はじめは英雄扱いされて「あたりまえのことをしただけですよ」と答えていたジュエルが、FBIに疑われて自宅を強制捜査されて、うなだれて「こんなことをするなんて」と言っていたのを鮮明に覚えています。