2022年 07月 09日
ノクターナル・アニマルズ ( Nocturnal Animals ) |
Amazon Prime Video で視聴。
2016年、アメリカ; 監督:トム・フォード; 主演:エイミー・アダムス、ジェイク・ギレンホール
倦怠期にあるキャリアウーマンが、元夫が書いた小説に引き込まれる。
スーザン(エイミー・アダムス)はアートディーラーとして成功していたが、夫との間には隙間風が吹き、娘は既に一人暮らしをはじめていたので寂寥感を覚えていた。そこに、彼女の元夫であるエドワード(ジェイク・ギレンホール)から、彼が書き上げた小説が送られてくる。暴力的な内容だったがスーザンは読み進むうちに元夫が書いた小説に引き込まれていく。……
主人公スーザンがはたらくアートの世界のスタイリッシュな美しさと、エドワードが書いた小説内のテキサスの物語世界的うつくしさがシンクロして、倦怠期に陥ったキャリアウーマンの心の揺れが浮かび上がります。
60年代末から70年代前半のエコーが感じられる映画でした。もっとも私の感じるエコー自体が、映画や雑誌を通して自分が見たものの記憶の断片から得たものでしかないんですが、とにかくあのころの雰囲気を今風にうまくおしゃれに加工してる印象。
スーザンが運営してるアートギャラリーの幹部は女性ばかりなんでしょうかね。そのへんも今風ですか。そして、スーザンの心理的な揺れが、職場の女性たちに怪訝な目で見られているのね。
8年前にスーザンが購入したという絵に、彼女の内面を象徴するようなものがあったりするのもおもしろい。
エイミー・アダムスとジェイク・ギレンホールがうまいので、映画に引き込まれました。
監督のトム・フォードは世界的ファッションデザイナーだそうです。
by nesskoDiary
| 2022-07-09 10:10
| 映画
|
Comments(2)
弊記事へのコメント有難うございました。
>60年代末から70年代前半のエコーが感じられる映画でした。
トム・フォードはNY大で美術史を習ったインテリのデザイナーで、その時代のことにも造詣が深いのでしょうね。
その辺がnesskoさんとうまく感応したにちがいありません。
彼の服はかっちりしているのですが、このことから解るように、デザイナーらしく絵作りがスタイリッシュである一方、素人監督が作りがちな曖昧さを余り残さないような気がします。それなのに最後には余韻を残す。これは大したものと思います。
専業映画監督になっても良いくらい才能があるかもしれませんね。
>60年代末から70年代前半のエコーが感じられる映画でした。
トム・フォードはNY大で美術史を習ったインテリのデザイナーで、その時代のことにも造詣が深いのでしょうね。
その辺がnesskoさんとうまく感応したにちがいありません。
彼の服はかっちりしているのですが、このことから解るように、デザイナーらしく絵作りがスタイリッシュである一方、素人監督が作りがちな曖昧さを余り残さないような気がします。それなのに最後には余韻を残す。これは大したものと思います。
専業映画監督になっても良いくらい才能があるかもしれませんね。
1
Commented
by
nesskoDiary at 2022-07-10 09:07
> オカピーさん
コメント、ありがとうございます。
たしかに絵を見ているだけで満足感が得られる作品でした。でも、オカピーさんがおっしゃっているように、あいまいさというか、あまりにも絵がきれいにきまりすぎていて、だからデザイナーが本職と言われると、ああそれでなのか、と納得するところがありました。
場面のきれいさというと、ポランスキーの「ゴーストライター」はすばらしかったですね。
あれは美術でフランスで賞をとってたのかな。
ポランスキーの作品だと、ほんとに映画的なきれいさ、良さになるんですね。「ゴーストライター」はヒッチコック的な映画でしたし。いろいろ言われているけれども、ポランスキーはすばらしい映画作家ですよね。
コメント、ありがとうございます。
たしかに絵を見ているだけで満足感が得られる作品でした。でも、オカピーさんがおっしゃっているように、あいまいさというか、あまりにも絵がきれいにきまりすぎていて、だからデザイナーが本職と言われると、ああそれでなのか、と納得するところがありました。
場面のきれいさというと、ポランスキーの「ゴーストライター」はすばらしかったですね。
あれは美術でフランスで賞をとってたのかな。
ポランスキーの作品だと、ほんとに映画的なきれいさ、良さになるんですね。「ゴーストライター」はヒッチコック的な映画でしたし。いろいろ言われているけれども、ポランスキーはすばらしい映画作家ですよね。